記事を検索

トム・クルーズ主演『DIGGER/ディガー』今年最大級の赤字作品となる懸念 “大惨事”スタート

リンクをコピーしました

トム・クルーズ主演、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督による最新作『DIGGER/ディガー』が北米で公開され、3321館からオープキング3日間で800万ドルを記録した。海外73の国・地域を合わせた諸外国市場興収は1200万ドルとなり、世界オープニング興収は2000万ドル。巨額の製作費を投じた作品としては、極めて厳しいスタートとなっている。

© 2026 WBEI and Legendary

本作は公開前、北米オープニング興収1800万〜2000万ドル程度が見込まれていた。しかし公開直前には1200万〜1500万ドルへ下方修正され、初日には約340万ドルを記録。その後も勢いは伸びず、最終的にはさらに予測を下回る800万ドルでのスタートとなった。

『DIGGER/ディガー』は当初1億2500万ドルで製作が承認されたものの、制作期間の長期化などによって、最終的には1億6000万〜1億8000万ドルまで膨らんだと一部関係者が証言している。ワーナー・ブラザース側はこの数字に異議を唱えているものの、さらに世界規模のマーケティング費用も加わっており、劇場興行だけで1億5000万〜2億ドル規模の損失を被る可能性も指摘されている。

損益分岐点についても、スタジオ側は世界興収約3億ドル、一部業界関係者は約3億5000万ドルが必要との見方を示している。一般的に映画興行では製作費の2〜3倍程度の世界興収が一つの目安とされるため、仮に製作費が1億8000万ドル近くまで膨らんでいるのであれば、世界初動2000万ドルという数字はかなり重い。

© 2026 WBEI and Legendary

特に注目されていたのが、トム・クルーズ自身の世界的な集客力だった。トムは公開に合わせて各国を巡る大規模なワールドツアーを展開し、日本への来日も決定。『トップガン マーヴェリック』や『ミッション:インポッシブル』シリーズなど、北米以外でも圧倒的な人気を誇るスターだけに、国際市場で北米の弱さをどこまで補えるかが大きなポイントとみられていた。しかし海外73市場からの初動は約1200万ドルにとどまり、現時点では国際市場でも爆発的な伸びは見られていない。北米だけでなく世界興行全体で苦戦していることから、ここから口コミでどこまで粘れるかがより重要になる。

作品への評価も大きく分かれている。批評家からはトムの演技や映像表現、イニャリトゥ監督による大胆な風刺性を評価し、「傑作」「勇敢で美しいアート映画」と称賛する声がある一方、「万人受けする作品ではない」「自己陶酔的」「全体として混乱している」といった厳しい意見も寄せられた。

© 2026 WBEI and Legendary

Rotten Tomatoesでも公開前から50%前後と賛否両論の状態が続き、ワーナー・ブラザースは肯定的なレビューと否定的なレビューを同じ広告に並べ、「Decide for yourself(自分で決めろ)」と訴える異例のマーケティングまで展開。評価が割れていること自体を宣伝材料として活用してきた。

ただ、R指定のオリジナル・ブラックコメディという作品の性格上、そもそも『ミッション:インポッシブル』のような大規模フランチャイズと同等の集客を期待すること自体が難しいとの見方もある。この手のブラックコメディとして800万ドルという初動だけを見れば極端に悪い数字ではないものの、問題はそのジャンルとして異例ともいえる巨額の製作費を背負っていることだ。

ワーナー・ブラザースにとっても厳しい結果となった。今年は『スーパーガール』『ザ・ブライド!』など、製作規模に対して十分な北米興収を確保できなかった作品が相次いでおり、『DIGGER/ディガー』もその流れに加わる可能性が高まっている。パラマウントによるワーナー・ブラザース買収完了を目前に控えたタイミングだけに、スタジオにとっても痛手となりそうだ。

日本では10月9日より劇場公開予定。北米・国際市場で厳しいスタートとなるなか、日本でどこまで観客を集められるのかも注目される。

関連記事

ベーダーの興行収入速報

映画の興行収入を中心に、 最新速報、映画ランキング、 映画ニュース、独自分析・コラムを 発信する映画情報サイトです。 Xでも最新の興行収入速報を 随時発信しています。

Xで最新情報を見る