U-NEXTで提供されてきたHBO Max作品について、今後U-NEXTでの展開が終了する可能性が浮上している。
米Varietyは、HBO Maxの日本展開見直しに伴い、U-NEXTでの提供が終了する可能性を報じている。現時点で正式発表はないものの、SNSでは早くも不満の声が相次いでいる。
これまでU-NEXTでは、『ゲーム・オブ・スローンズ』『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』などHBOを代表する作品を追加料金なしで楽しめた。HBO作品の豊富さは、海外ドラマや洋画ファンにとってU-NEXTを選ぶ大きな理由のひとつでもあった。
今回もし完全撤退となれば、単なる「独占配信終了」とは意味が異なる。U-NEXTでも引き続き視聴できる状態ではなく、HBO作品を見るために別のサービスへ移る必要が出てくる可能性があるためだ。
HuluとPrime VideoでHBO Max展開
HBO Max作品については、10月1日からHuluとPrime Videoで新たな提供が始まる。
Huluは月額1,026円から1,320円へ料金を改定する一方、「HBO Max on Hulu」としてHBO Max作品を追加料金なしで提供する。
Prime Videoではアプリ内の追加サブスクリプションとして展開され、HBO Maxの利用には月額1,000円からの追加料金が必要。スタンダードプランは月額1,000円で最大1080p、プレミアムプランは月額1,400円で4Kに対応する。HBO作品だけを目的に視聴環境を整える場合、これまでより負担が増えるユーザーも出てきそうだ。
U-NEXTは“映画館ユーザー”との相性が良かった
U-NEXTは月額2,189円と、他の動画配信サービスと比べれば高めの価格設定だ。
ただし毎月1,200ポイントが付与され、最新映画のレンタルや電子書籍だけでなく、映画館での鑑賞にも利用できる。そのため、劇場へ頻繁に足を運ぶ映画ファンにとっては、単純な月額料金以上の価値を感じやすいサービスだった。
配信作品の豊富さに加え、劇場鑑賞にも活用でき、さらにHBO作品まで楽しめる。この組み合わせに魅力を感じていたユーザーにとって、HBO Maxの撤退は決して小さな変更ではない。
特に他サービスでHBO作品を継続して見る場合、Huluでは月額料金の上昇、Prime Videoでは追加契約が必要になる。映画館利用まで含めてU-NEXTを活用していた層からすれば、視聴環境が分散し、総合的なコストパフォーマンスが悪化したと感じる可能性もある。
代わって「Universal+」を独占展開
一方、U-NEXTはNBCUniversalとの長期的な戦略パートナーシップを発表。2026年10月より、NBCUniversalのグローバル・ストリーミングブランド「Universal+」を日本で独占提供する。
NBCUniversalは、ユニバーサル・ピクチャーズ、フォーカス・フィーチャーズ、ドリームワークス・アニメーション、イルミネーションなど多数のスタジオやブランドを抱える。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』『ミニオンズ』『ジュラシック・パーク』『ワイルド・スピード』などの人気シリーズに加え、2026年にはクリストファー・ノーラン監督『オデュッセイア』、スティーブン・スピルバーグ監督『ディスクロージャー・デイ』など注目作も控えている。
2027年春以降は、NBCUniversalの主要な劇場公開作品を映画館での上映後にU-NEXTで順次独占配信する予定。新作テレビシリーズなども展開される。
HBO Maxという大きな柱を失う可能性がある一方、新たにUniversal+という巨大ブランドを取り込む形だ。
USJとの連携も
今回のNBCUniversalとの提携は、配信だけにとどまらない。
U-NEXTとユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、音楽ライブやイベントの共同開発、U-NEXT会員限定の体験・特典、USJを題材としたスペシャル映像の企画・制作なども検討している。
U-NEXTで作品を観て、その世界をUSJで実際に体験する。配信とリアルエンターテインメントを横断する新しいサービス展開も見据えているようだ。
さらに、NBCUniversalが米国で展開する「Peacock」や海外の「Universal+」などを活用し、U-NEXTが扱う日本のドラマ、アニメ、映画、オリジナル作品を世界へ届ける構想も進められる。
U-NEXTのユーザー動向にも影響?
U-NEXTは2026年5月時点で有料会員数520万人を突破し、国内でも最大級の動画配信サービスへ成長している。
Universal+の独占展開は大きな強化材料となる一方で、既存ユーザーにとっては「新しい作品が増えること」と「これまで見られたHBO作品がなくなること」は別問題だ。
もしHBO Maxが完全撤退となれば、HBOを目的に加入していた一部ユーザーが契約を見直す可能性も考えられる。
映画館で使えるポイントや幅広い作品ラインナップを含め、総合的なコストパフォーマンスの高さが魅力だったU-NEXT。その中からHBOという強力なコンテンツ群が抜けることになれば、少なからず影響は出そうだ。
Universal+がその穴をどこまで埋められるのか。そしてHBO Maxをめぐる国内配信の再編が、U-NEXTのユーザー動向にどう影響するのか注目したい。
