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中国の低予算アニメ映画『Niu Lai』が異例のヒット

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中国の低予算アニメーション映画『Niu Lai』が、異例のヒットを記録している。公開当初は混乱したストーリーや、「AI以下」とまで評される粗削りなアニメーションをめぐって酷評が相次いだものの、その低クオリティぶりがかえって話題を呼び、SNSでの拡散やミーム的な盛り上がりも相まって興行収入が急伸している。

本作は、夢の世界を舞台に牛を描いた低予算アニメーション作品。制作を手がけたのはわずか2人という極めて小規模な体制で、公開前には大規模なプロモーションもほとんど行われず、当初はほぼ無名に近い状態からのスタートとなった。

公開最初の10日間の興行収入は、わずか7,705元(約17万7,000円)。しかし、その後はSNSを中心に作品の存在が急速に拡散され、中国の映画興行データ「猫眼(Maoyan)」では現在、累計興収1,140万元(約2億6,220万円)を突破。公開最初の10日間で記録した興収の実に約1480倍まで膨れ上がる、異例の大ブレイクを遂げている。【1元=23円換算】

酷評から一転、SNSでミーム化

ヒットの大きなきっかけとなったのが、SNS上で巻き起こった独特な盛り上がりだ。

『Niu Lai』は公開当初、複雑で混乱したストーリーやアニメーションのクオリティをめぐって厳しい評価が相次ぎ、映像については「AI以下」とまで評する声も見られた。

ところが、そのあまりにも異色な出来栄えが逆に注目を集め、「どれほどの作品なのか実際に確かめたい」という好奇心が拡大。「80分は後悔するかもしれないが、観なければ一生後悔する」といった趣旨の投稿も登場するなど、酷評そのものが作品を広めるきっかけとなった。

作品に関する投稿や映像が次々と共有され、話題はSNSから一気に拡散。作品そのものが一種のミームとして扱われるようになり、面白半分で劇場へ足を運ぶ観客も増加している。

上映中には笑い声も 低クオリティそのものを楽しむ観客

こうしたネット上の盛り上がりは、実際の劇場にも波及している。

上映中には、粗削りなアニメーションや予想外の描写を目にした観客から笑い声が飛び交うなど、作品の低クオリティそのものを面白がって鑑賞するという異例の光景も広がっている。

純粋に作品の完成度を評価するというより、「どれほどすごいのか自分の目で確かめたい」と面白半分で鑑賞する観客も現れ、映画館でその体験を共有すること自体が一種のイベントに。劇場での反応が再びSNSで共有され、それを見た新たな観客が映画館へ向かうという循環も生まれている。

酷評から話題が生まれ、SNSでミーム化し、それが実際の動員へと結びつく。通常の口コミによるヒットとは大きく異なる現象が、『Niu Lai』の興行を押し上げている。

「手作り」だからこそ応援する動きも

一方で、その粗削りな映像表現を別の角度から評価する動きも出ている。

SNSでは、制作陣がAIを使用せず「hand-crafted(手作り)」で制作したことを取り上げる投稿が拡散。「純粋な手作り」「職人技」として評価する声もあり、AI生成コンテンツが急速に広がる現在だからこそ、人の手で作られた作品として『Niu Lai』を支持する層も現れている。

さらに、作品そのものを“応援する”動きも広がっており、「株価指数が4,000に到達したら、この映画を応援するため映画館へ行く」といった投稿まで登場。こうしたネットミーム的な要素も、作品の知名度を一段と押し上げている。

急増する需要を受け、上映を追加する映画館も相次いでいる。当初は十分な宣伝素材すら用意されていなかったことから、一部では映画館スタッフが自らポスターを制作して作品を宣伝するという珍しい動きまで見られている。

異例のブームに懸念の声も

一方、この予想外の成功を手放しで歓迎する声ばかりではない。

中国国営メディア系の論評では、『Niu Lai』の話題性を受けて映画館が追加上映を続ける状況について、上映作品の「基準を下げ続ける」ことになれば、長期的には観客からの信頼を損なう可能性があると指摘。低品質と評される作品が話題性によって拡大していくことへの懸念も示されている。

公開10日間でわずか7,705元だった低予算アニメが、酷評をきっかけにSNSでミーム化し、面白半分で劇場へ向かう観客まで巻き込んで1,000万元を大きく突破。作品の完成度とは別の部分から生まれた熱狂が、どこまで興行収入を押し上げるのか注目される。

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